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のために
(4)あいつぐ別れ
(5)くけ戸へ
(6)不吉な一致

※この文章における木下利玄のテキストの引用は、『定本 木下利玄全集』歌集篇・散文篇に依っています。但し、旧漢字は、適宜常用漢字にかえて表記しています。

 明治44年5月15日、木下利玄、結婚。

 物心ついて以来、ずっと〈家族〉に恵まれなかった利玄にとって、自分の妻を迎えたという事は、どんなにか嬉しかったのでしょう。彼はさっそく、この年10月に新妻の照子と帰郷した時の様子を

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「山遊び」という小品にまとめ、『白樺』に寄稿しました。
 妻と、弟妹3人、妹の友だち、それに実家の働き人たちなども伴っての、総勢16人での松茸狩りは、彼の人生の中でも、とりわけ賑やかで楽しいひとときでした。たくさんの〈家族〉に囲まれ、幸せで胸いっぱいの利玄の眼には、小さな松茸さえも、表情豊かな愛らしい存在に映っていたようです。

にあると其の近所に方々にあって、嬉しい愉快さうな声が口々から洩れた。
「ア此処にもあります」「此処にあつた」銘々思ひ/\に腰をかゞめて取り始めた。

 妙見山での松茸狩りを終えたのち、龍王山まで戻り、その山頂付近で、皆でお弁当を広げました。利玄が、龍王山の懐かしの松を思い出したのもこの時です。

も自分はなつかしく見上げて居たのである。

の煮しめが皆の前へ配られた。何れもうまい。土瓶の茶は枯枝を焚いて暖められた。瓢箪の酒が盃につがれた。遊山と云ふ気分を殆んど始めて充分に味ふ事が出来たのを悦んだ。

 昔ながらの、素朴で滋味深いお弁当をお腹一杯食べた後は、少し下りたところで一休みです。さっきの松茸のように、人間たちも柔らかな草に埋もれながら……。

の中へ染み込んで行くのが感ぜられた。

に蟲が鳴いて居る。遠くで鵯のやうな鋭い声の鳥が鳴いて居る。更に遠くで小児の遊ぶ声が途断れて聞える。もう自分たちは大分下つて来た、里が近いなと思ふ。かく思ひつゝ自分たちはいつ迄も草の中に坐して、静かさと日光とを思ふ儘に貪つた。「寿命が延びて行くのがわかるやうだ」と自分は云つて猶其処に居た。

 それはまるで、森の樹々や草と、いのちがひとつに溶け合うようなひとときでした。深い静けさと安らぎのなかでは、人は、ふと、“永遠”に触れたような心地になる時があります。利玄にとっては、まさにこの時が、そうした瞬間だったのかも知れません。
 しかし、この時を最後として、利玄がくつろいだ気持ちで故郷に滞在する機会は、もうありませんでした。そして、この、悲しみのない幸せな時間も、ひとたび過ぎ去った後は、利玄のもとに戻って来る事はなかったのです。

 翌・明治45年は、利玄にとって、輝ける転機の年となるかに見えました。

 まず、照子の妊娠がわかりました。子供の誕生は、9月末頃の予定となるはずでした。
 そして心なしか、利玄の作歌活動にも、ますますはずみがついたようでした。実際、利玄の新境地開拓は、傍目にも目覚ましく、竹柏会で先輩歌人にあたる新井洸などは、利玄の歌2首、

  
  

を特に批評会で取り上げて、高く評価してくれたそうです。かねてから新井洸に〈推服〉していた利玄にとっては、その言葉は、ことに嬉しいものでした。

 また、『白樺』への寄稿にも熱を込め、5月号に「夕方に」(17首)、6月号に「花壇と室内」(12首)、7月号には「草」(26首)など、矢継ぎ早に新作を発表していました。少年時の細やかな心の揺れを描いた等々の歌を詠んだのもこの頃です。

 さらに、この『白樺』誌上においても、利玄を喜ばせる出来事がもう一つ起きました。同人で友人の有島生馬が、〈六号雑記〉欄で、利玄の短歌を皆に推奨してくれたのです。作歌に心を寄せるようになりました」と、利玄は述懐しています。

 この〈有島評〉とはどのような内容だったのか。この内容を紹介している資料は見あたらず、どうも、これまでは特定されていなかったように思われます。そこで、この年前半の『白樺』をあたってみますと、1本、それらしい記事にぶつかりました。6月号の〈六号〉欄です。ただし、署名は〈有島生馬〉ではなく〈梅の子〉となっています。

の歌も上手だが近頃は少々理屈ぽくなって搾り出す様な処が見える。勇さんや白秋さんの歌よりも旧いと人は云ふかもしれないが確かにファインな処と無邪気を装はないで無邪気な処、此の二つの相反したものがよく調和されて居る。木下の歌は毎号出して貰ひたいものだ。(梅の子)

 匿名はコミカルですが、有島生馬は、白樺同人の中では唯一の〈仏蘭西〉帰り。話題の中に、自然にさらりと〈仏蘭西〉が出て来るとなれば、生馬の文章と特定してほぼ間違いないでしょう。なお、彼は、絵画史の中では、堂々、当時新進の〈新帰朝者の画家〉の1人に数えられています。

 それにしても、歌人でもない生馬の評が、なぜ、利玄をそれほど感激させたのでしょうか?
 様々な理由があったのでしょうが、一つには、生馬はその頃、フランスばりの詩や小説を幾つも『白樺』誌上に発表していて、仲間からは、ことばの表現者としても優れていると一目おかれていたことがあります。加えて、生馬の性格には、やや“照れ屋の皮肉屋”とでもいうべきところがありました。皮肉やからかいはズバズバ言っても、人を誉めることなど滅多にないというのは、友人や兄弟の間では周知の事だったのです。

 その生馬が、木下の歌の〈愛読者〉だという。しかも、単に、日本の古い定型詩として善し悪しをいっているのではなく、んでいるというのです。つまりは、〈詩〉として個性がはっきりしていて自分は好きだ、と表明してくれたのですから、新しい詩情を切り拓こうとしていた利玄にとって、それは最大限の賛辞です。
 頑固者がふと漏らした誉め言葉は、それだけで価千金。それにペンネームも、利玄のあだ名の〈木の子〉をもじって〈梅の子〉と、さりげなく親近感を示してくれています。利玄にとって、、それは何よりかけがえのない、暖かな友情の証と受けとめられたことでしょう。わが意をますます強くし、歌の世界に邁進したのも当然です。

 しかし、それから2ヶ月たつかたたぬかの内に、利玄を、大きな悲しみが襲いました。折角さずかった子供が、生まれてからわずか数日で、この世を去ってしまったのです。

のために

 お産は9月末頃のはずでしたが、8月初頭の思いがけない寒さで体調を崩した照子は、予定日より2ヶ月程も早い8月6日に出産してしまいました。
 生まれたのは、本当に小さな男の子。体重も」(約1744グラム)しかありませんでした。照子が初産という関係もあったかも知れませんが、それにしても、8ヶ月目というには、あまりにも小さな赤ちゃんです。この点、医者の、懐妊時期の見立てもかなり不正確だったように思われるのですが、今となってはわかりません。

 ともかく、幼子の生命が危ういのは、一目見ただけでも明らかでした。産婆の忠告で、小児科の医師がすぐに呼ばれました。といっても、医師がどう診断したところで、現代のように未熟児用の保育器があるわけでもなく、点滴する器具さえありません。さしあたって経過を見守るしか、なすすべがないのです。
 産婦の照子は、気持ちが動揺しないようにと、別室に移されました。はじめ、照子の乳がなかなか出なかったので、赤ん坊には、山羊の乳をガーゼの乳首に染みこませたものが与えられました。今では考えられない方法です。
 その弱々しい生命を、利玄は、ずっとかたわらで見つめていました。

き子を可愛がる情は薄かつた。併し生れて寝てるのを見たら、見る度毎に可愛くなつてきた。
 利公は──利公と云ふのは赤ん坊が生れてから四日目、死んで行く日の午後に、十許考へて置いた中から撰んだ名だ──濃い柔い髪と、梨の実の肌のやうに、皮膚の下に白いボツ/\"のある鼻を持つて居た。その小さい顔を、くるまれた肩掛なんかの間から出して、口をピチヤピチヤやつたり、鼻の頭をしかめたりして居た。そして湯をつかつてる時見ると顔は自分によく似て居た。それが切に自分の心を唆かした。

へて、それに浸して飲ませた。利公は口をチユッ/\云はせて飲んだ。乳が無くなつても未だ口を動かして居た。看護婦はわかる人に云ふやうに
「お上手ですこと!もうそんなにはいけませんよ」
などと云つた。
 利公は乳がすむと可憐な呼吸をしながら、パチ/\眼をあけて自分を見上げたりした。乳さへよくのめば育つ、と医者が云つていたので、自分はこれならもう此方のものだ。もう大丈夫だと思つた。


 自分の子なのだ、自分は父なのだ、という感情の目覚めが、彼にひたすら赤児を見つめさせました。かすかな呼吸、まばたきのようなわずかな仕草さえ、彼の心にはしっかりと焼きつけられました。

を二つ入れてあつた。──抱いて、母の所へつれて行つて乳を呑ませた。自分も一緒に行つて、母の乳房から乳を吸つて居るのを見ると、自分の子供と云ふ感じが、しみじみ湧いて、頬ずりしたいやうな、かばひたいやうな、一種特別の可愛らしさを感じた。

 束の間の小康。しかし、現実はやはり残酷でした。その翌日から子供は乳を呑まなくなりました。やがて利玄は、女中の1人から、と告げられました。。
 赤ん坊は、次第にものを飲み下す力そのものがなくなってゆきます。口へ入れたものがのどにつかえ、顔色は紫色になります。看護婦は、子供の鼻を吸って、つかえたものを何とか取り除こうとします。あまりに凄惨な状況で、利玄自身、と正直に述懐しています。しかし、それでも利玄は、ぎりぎりの状態になるまで、死にゆく幼子と、眼と眼を見交わしあっていました。


 翌日、最期に利公が痙攣を起こし危篤になった時には、その場にいたたまれず、しかし妻の部屋にも行けず、一人で思い切り涙を流していたという利玄。しかし、そのときまでは、この世から消えつつある小さな命からの無言のまなざしを正面から受けとめ、自分からもずっとまなざしを返していたのです。自分の無力さと現実の過酷さに堪え続けながら。それは、きわめて強靱な、〈父〉としての強さのように思えるのです。

 木下利公は、8月10日の夕方、たった4日間の人生を終えました。
 そして26歳の若い父親は、初めての息子を失いました。

 『白樺』9月号の六号雑記には、その直後の、利玄の淋しげな姿が書きとめられています。


 「利公のために」は、その翌年に、利玄がその時の事をまとめた随想・短歌群です。
 散文は、出来事のありさまや利玄の心の動きを流れとして伝えていますが、短歌の方は、その中のひとつひとつの瞬間を、鋭く切りとっています。

  
  
  の上に わがをさな児が眼をひらきゐる

  

  がいぢらしさ忘れかねつも

 しかし中には、短歌の方にのみ見られる胸中もあります。

  く

  に置きたや

 散文は、長くつづることで、一見あらゆることを書き表せるかのようにも見えます。しかし、はじめて自分の中に〈父〉を感じ、苦しいほどに子を愛しいと思ったあの時間──そうした特別な時間を結晶させるには、〈歌〉のちからしかないと、利玄は思いさだめたのかも知れません。
 彼は、この「利公のために」以降、ごく少数の短い随想を除いて、散文作品を発表する事はもうありませんでした。

 利公が亡くなった年の9月、利玄は、目白中学校に国文教師として就任し、はじめて給与取りの生活をする事になりました。この目白中学は、細川護立の兄・護成が校長をしており、その縁で教員として迎えられる事になったようです。
 といっても、当時の利玄に、どうしても外へ出て働かなければならない事情があったわけではなさそうです。話としてはいつ頃から起こっていたのかはわかりませんが、就任が敢えてこの時期という事になったのは、おそらく、子供を亡くしたばかりの利玄があまり考え込んで気を落とさないようにという、護立の心遣いが働いたからのように思われます。山登りをしたり、一緒にお芝居もしたりした、幼なじみの友だちだったからこその、さり気ない配慮だったのでしょう。

 そして

、利玄も、ただ悲しみにくれていたわけではありません。創作は、一時は中休み状態だったものの、まもなく作歌活動に復帰し、翌大正3年の5月には処女歌集『銀』の出版も果たしました。これは、表紙は竹の皮、見返しと函は書名にちなんで銀箔張りの、美しい書物でした。有島生馬と、同じく旧友の三浦直介とが、装幀デザインに力を注いでくれたおかげです。歌集には「利公のために」も収録され、〈亡きわが子利公に〉という献辞も刻まれました。利玄にとって、そしてほんの一時しか生きられなかった利公にとっても、この本は、まさに記念碑な1冊となったのです。

 また一方、それより2月ほど遡る3月3日、ひなまつりの日に、利玄の家では、また新たな喜びが訪れていました。次男・二郎が誕生したのです。

 ただ、この時の誕生も、心から皆で喜び合えたのは、ほんのわずかな間のことだったと思われます。
 実は、二郎は、生まれながらに病を背負っていました。どのような病名だったのか、あまり具体的に書かれた資料はありませんが、おそらくは先天性の疾患だったのでしょう。今なら或いは、治療の方策もあったのかもしれませんが…。
 二郎は、いつも体の具合が悪いせいか、赤ん坊らしくぐっすり眠ることはほとんどなく、夜泣きなどをするとなかなか泣きやまなかったようです。これにはさすがの利玄もイライラして怒る事があったらしく、また、母の照子も次第に寝不足で憔悴していったらしい様子は、後の短歌からもうかがえます。

  

  る熟睡は寝ねず夜毎になやみし子故妻もやつれつ

 それでも、大正4年、やっと1歳を過ぎ、これなら何とか長らえていけそうかと思われた矢先の事。冬の寒さが訪れた12月の初頭に、この二郎もまた、1歳9カ月の短い命を終えてしまったのです。

死にてありいそぎ来て門入り行かむ力なきかも

  今生を執念き病とあらがひて生きん/\となせし吾子はも

  あとに残る体温表みて長き間病にたへし子なりしとおもふ

  病もつ一生を終り今こそは吾子は眠りをほしいまゝにせり

 痛々しく儚かった命を見送って、、利玄も辛い思いをしましたが、さらに大きな衝撃を受けていたのは照子でした。子供を2人までも、次々と失ってしまったのですから、無理もありません。

  

 このままでは、照子の方が、肉体的にも精神的にも参ってしまう。そう思った利玄は、思い切って教師の職も東京の生活もなげうち、妻を連れて、心身ともに快復するまで、旅に出る決心をしました。
 迷いやすい性質の利玄でしたが、この時は思い立ったら即実行。なるべく景色が良さそうな所・良い温泉がわく所を選びながらの、2人道中に旅立ちました。けっこうな長旅で、照子の体調も心配されたとは思われますが、そこはさすがに2人とも2、30代の若さ。結果的には、照子の気分転換にも良かったようです。

 温泉に行つて、ここに三ヶ月滞在し、それから、山陰道をだんだんに西に下つて、方々の温泉や社寺などを巡りながら、出雲の国で旧友を訪ね、十一月からは石見の国へ入つて、鉄道のない地方を妻と二人で歩きながら旅をつづけました。此頃は二人共丈夫で、妻も雨中六里位の道を歩いたりして、其地方の人を驚かしたものです。

 華族という事は臥せ、仮名を使っての気軽な旅。そのため、旅先でかえって変に怪しまれ、地元から東京宅へ問い合わせされるなどの不快な出来事もあったようですが、それはそれ。そんな事にめげず、2人は旅を続けました。。第2歌集『紅玉』に収録された名歌の多くが、この道中で詠まれました。

 そして、別府に滞在していた大正6年6月、照子は3人目の子・夏子を出産。
 初めての女の子。それに今度の赤ん坊は、日毎に、ふっくら、まるまると大きくなってゆきました。

  にひたせし子はも

 体にいいという温泉の湯で毎日湯浴みさせ、ずっしりと重くなってゆく手応えを感じながら、今度は、今度こそは大丈夫、と安心しようとしていた利玄と照子でしたが──。
 この夏子も、その年の12月、たった6ヶ月で、あっけなく肺炎で亡くなってしまったのです。
 それも、気管支カタルと診断されて入院し、しかし経過良好という事で、皆ほっと一安心した直後の急変でした。

によりそひその額に手おけば熱し かはゆきものを

  泣く力今はなくなり病める子の眼つぶらに吾を見るかも

をみあはせぬ この吾子も亦今死なんとす

  肉身の捨てはてかねし望みさへ今は絶えゆき吾子死ぬるなり

  わが妻は吾子の手握り死にてはいや死にてはいやと泣きくるひけり

  眼のまはり真紅くなして泣きやめぬ妻のうしろに吾子死にてあり

 3度までも我が子の死を見とると、もはや胸つぶれる思いも極まったのでしょう。後にのこったのは、不思議にしんと静もった感情のみです。

 子供の頃の利玄は、おとなしい、むしろ臆病といってもいいくらいの少年でした。悲しみにも、痛みにも、強い方ではありませんでした。その利玄が、我が子の死を3度も、それも、いずれも苦しみ抜いた挙げ句に死んで行くのを目の当たりにしたのです。彼の胸中は測り知れません。

 しかし、利玄は、決して無気力になったり、自暴自棄になる事はありませんでした。彼は作歌をやめませんでした。むしろ〈歌人〉としての彼は、貪欲なほどに、我が子を亡くした悲しみをも、日々の作歌の営みの中に取り込んでゆきました。その事でのみ、彼は生き続けていました。

 例えば、夏子を亡くした翌年の日記です。

 夏子の〈歌〉を詠い出すまでの間に約半年、さらに表現に着手してから完成までに2ヶ月以上の日々を要しています。その期間、利玄は、当日の感情を、そして目の前で起こった出来事を、幾度も幾度も追体験していたのでしょう。おそらく、その悲痛な経験を〈歌〉に形づくってゆく事を通して、彼は、亡くなった愛児たちと共に生きていたのです。

 先に、利玄は散文を書かなくなったと述べましたが、実は、わが子を失ったこの6年間に、利玄は一度だけ、悼む想いを、短歌とは別の形で表現しようと試みた事があるようです。
 それはまだ、夏子が生まれる前、旅の空の日々だった時のこと。大正5年、出雲を訪れた利玄と照子は、10月22日に、島根県・加賀浦の〈潜戸〉という所に立ち寄りました。

 〈潜戸〉とは、加賀港湾の突端に開いている、新・旧2つの海蝕洞窟の名です。このうち旧潜戸の方には、夜になると幼くして死んだ子供たちの霊があらわれて、小石で小さな塔を積むという言い伝えがありました。小泉八雲は、その伝承を、“Glimpses of Unfamiliar Japan”(邦題『知られぬ日本の面影』1894年)の中で紹介しています。若い頃から八雲の作品に心魅かれていた利玄は、2人の息子たちの面影を求めて、敢えてこの時、潜戸を訪ねたのです。

 実際にはこの時、子供たちの霊はあらわれず、利玄はただその面影を偲んで、小さな石の塔を2つ積んできただけでした。志賀直哉宛の書簡にも、ただ事実だけが淡々と記されていますし、後にこの時の事を詠んだ歌にも、超現実的な事は何も書かれていません。 しかし潜戸行き直後の利玄は、この事をもとに小品を書こうとしていたらしく、スケッチ風の短文を、旅日記の手帳の中に書き記していました。結局それは作品になる事なく、構想メモのような形でそのままになっていたのですが、『利玄全集』を編纂した五島茂がその文章を発見しました。以下が、その全文です。
 
にいりて夜は小児の霊の来ると云へばまつてゐる事にする。腹のすかないやうたべなどしてゐると、次第に穴の中はくれてきて波の音のさゝやきさびしく岩もる潮水の音がひそかにふけてくる。

ひ度い事がありますかときいたらいや/\をした。初利公は父に 二郎は母 後かはる。「今度は丈夫なお怜悧な子になつて生れて、又二人であひませうね」と云つたらいくつ/\も首をたてにふつた。それから今度はかるいのが来た。利公ちやんかと云つたらさうだと云つて前のやうな事をくりかへした。

しらむ頃きつとたつてぴちや/\/\足音が遠ざかつた。あけてみたら砂に小さな可愛い足跡があり石がつんであつた。他の子がつんだのだらう。

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 伝承は伝承であり、現実には、どんなに懐かしくても、霊魂があらわれてくれる事などない。それは、利玄にもよくわかっていたはずです。しかし、心の中のもう一つの世界である、文章の世界の中では、利玄は確かに、その時愛児に遭っていました。
 かつて、母の面影を知らない彼が、自分で綴ったお話の中では母に甘え、そのあたたかな感触とやさしさとを確かに感じていたように、利玄のような人にとって、ことばの世界は、ほんとうの世界だったのです。

 夏子が亡くなったのち、利玄は大正7年秋に東京に戻り、翌年正月に鎌倉に移りました。以前の友だちとも交友が復活。特に、園池公致と長与善郎とは、住まいが近かったせいもあって、家族ぐるみでしょっちゅう行き来しては、楽しく時を過ごしたという事です。
 しかし、無邪気だった昔とは違い、子供を続けて失った悲しみが、利玄の生来の明るさに影を落としていることは、傍目にも明らかでした。武者小路はその当時、すでに宮崎県日向の〈新しき村〉活動を始めていましたが、利玄に会う機会があった時、彼は一生懸命利玄の気持ちをひきたてたいと思い、自分の親やきょうだいの例をひいて励まそうとしました。

(続く)

【注】

1.利玄の日記の、大正8年5月13日~6月9日の箇所には、彼が足守に帰ったという記事がある。しかし、この時は、何かの事情が生じて、木下家が土蔵を整理し道具を売却処分する折りの事だったらしい。日記にも詳しく書くのは憚られたようで、記述はたったの4日分、しかも各1~2行程度と素っ気ない。

2.誰の文章かは不明。なお、この「ゴロツキ」とは、ロダンから白樺同人に贈られた3つの塑像のうち、彼らが〈巴里ゴロツキの首〉と命名した像に由来する。

3.利玄の日記十一月二十七日の箇所には、次のような記述が見られる。
(『木下利玄全集 散文篇』220p)

4.利玄が、小泉八雲の潜戸の文を読んでいたことは、次の書簡によって知られる。

(大正5年10月27日 志賀直哉宛書簡)

(『志賀直哉全集 別冊』に拠る…『木下利玄全集 散文篇』794p)

5.この潜戸行きを作歌した時の日記、および短歌作品は以下の通り。

〔日記〕
(大正7年10月16日)

夕方雨はれ虹立つ。夜月明かなり。出雲をおもふ。
(同 10月18日)

(『木下利玄全集 散文篇』432~433p)

寂しも
(歌集『紅玉』 「加賀の潜戸」より…『木下利玄全集 歌集篇』153p)

6.
 この一文はおそらく、利玄のメモであろう。この「くけ戸」では、初めは二郎が、後に利公が来ることになっているが、文章を整え清書する段階では、生まれた順番に、利公が先に、二郎が後に来ることにしようと考えていたのだと思われる。

7.武者小路実篤『思い出の人々』90p
 なお、、、改行は引用者による。


          

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